横浜・ホテルニューグランド。日本の歴史とともに歩んできた憧れのクラシックホテル
今年は素敵なホテルに泊まる機会の多い年のようです。以前、憧れのラグジュアリーホテルホテル「東京ステーションホテル」に泊まったお話をしました。なんと今回は、もう一つの憧れのホテル、横浜にある「ホテルニューグランド」に泊まることができました。
横浜の歴史をささえてきた有名ホテルに泊まる
ホテルニューグランドは昭和2年(1927年)の開業ですから92年の歴史を持つホテルです。当時、関東大震災で大きな被害を受けた横浜の「復興の象徴」として建てられました。
国際都市・横浜にもう一度、世界中の賓客を迎えたいという市民や経済界の強い思いがこのホテルには込められています。今でこそ、その落ち着いた雰囲気から「クラシックホテル」という位置づけになっていますが当時は最先端ホテルだったようです。
ホテルニューグランドが生んだ宝物
ホテルニューグランドが横浜復興の象徴として生んだもの、それは『文化』でした。豪華な洋館の象徴である「玄関の大階段」、社交ダンスのための「ボールルーム」、フランス料理が味わける「メインダイニング」や世界の銘酒に酔いしれる「バー」の設置などなど。どれも日本人が経験したことのない海外の文化。当時の人たちはワクワクしながらこのホテルを訪れたことでしょう。
中でもパリからやってきた初代・総支配人アルフォンゾ・デュナンは食文化に強いこだわりがあったようです。
初代料理長「サリー・ワイル」からの贈物
アルフォンゾ・デュナンは総支配人就任にあたり外国人シェフを招聘しています。スイス人シェフのサリー・ワイルです。20年にわたり日本に滞在し、このホテルの総料理長を務めました。サリー・ワイルは日本に西洋料理文化を広めた大功労者です。古い日本の厨房のしきたりでは「料理人は厨房から一歩もでてはならないもの」と決まっていました。しかし、サリー・ワイルはコック服のまま店内を回り、ゲストに挨拶し、料理の感想を聞いて回りました。
また、今ではよく見かけるシェフによるローストビーフの切り分けサービスもサリー・ワイルが日本で初めて行ったそうです。また、本格的なフレンチ以外にもドリア、ナポリタン、プリンアラモードなど、今では誰もが口にするこれらの料理はホテルニューグランドの厨房から生まれています。文化という面ではサリー・ワイルは本国に帰った後、日本人コックの海外留学や海外就職の橋渡し役として活躍しました。まさに日本における「新しい食文化の担い手」だったのです。20年前、このホテルの当時の企画・宣伝担当の方と「サリー・ワイル話」で大変盛り上がりました。(レッサーパンダは当時、あるリゾートホテルの広報担当をしていてニューグランドホテルさんと知り合いました。)とても懐かしい思い出です。いたずら小僧のように古い写真の中でほほ笑む痩身のシェフが大好きです。
山下公園、中華街がすぐそば!最高のロケーション!!
このホテル、建物やサービスも素晴らしいのですが、なんといっても魅力的なのは、そのロケーションです。有名な横浜中華街へは歩いて5分ほどの距離です。
また、目の前には横浜観光の象徴の一つとなっている山下公園があります。港の風景を眺めながらの散歩は日常をすっかり忘れさせてくれます。早朝から深夜まで多くの人が訪れ、まさにエキゾチックを絵に描いたようなロケーションです。
また泊まってみたい!歴史を紡ぎ続けるホテル
残念ながら、今回も出張の合間の宿泊だったので横浜の魅力を味わい尽くすことはできませんでしたが、20年ぶりにホテルニューグランドに宿泊出来て懐かしい時間を過ごすことができました。もし、出来ることなら、このホテルに長逗留して、街の魅力を心ゆくまで堪能したいものです。今すぐには難しいですが、いつかもっと年を取った時にぜひ実現したいと思います。
この街と、このホテルは年を取ったレッサーパンダにもきっと優しくしてくれる、そんな気がします。
ホテルの公式サイトについて
このホテルのサイトを見ると沢山の綺麗な写真が載っているのです。特に魅力的なのはウエディングのページ。クラシックホテルならではのテーブルコーディネートやロケーションがウエディングシーンにぴったりです。
コメントを残す