京都・イノダコーヒーは懐かしい思い出のつまった名喫茶店。
こんにちは、レッサーパンダです。先日、京都文化博物館で写真展を見た話をしましたが、その帰りにイノダコーヒーの本店に立ち寄りました。京都文化博物館からは歩いてすぐ、寺町(新京極)方面に向かって3~4分ぐらいでしょうか。前を通りかかったら懐かしくてつい入ってしまいました。
イノダコーヒーは特別な場所でした。
有名店なのでご存じの方も多いと思いますが、イノダコーヒーは京都に本店があるコーヒーチェーンです。レッサーパンダが生まれるずっと前から(1947年から)営業していて、特に本店・三条店は昭和の雰囲気漂うレトロなカフェです。実はイノダコーヒーはレッサーパンダにとって特別なお店です。
以前にも書きましたが6歳で京都に引っ越してきて、当時大変寂しい毎日でした。そんな時、叔母がこの店に連れてきてくれました。叔母は当時、画家仲間とよく利用していたのですが、レッサーパンダは当然はじめての体験です。初めてというと、その時、生まれて初めて「モーニングサービス」を食べました。ここのモーニングは今では「京の朝食」なんていう名前がついていますが、いわゆる『喫茶店のモーニング』ではありません。本格的なアメリカンブレックファーストで、周りの有名シティホテルに負けません。かなりしっかりした朝食セットです。当時、子供の頃のレッサーパンダは、その豪華な朝食を我を忘れて食べていた記憶があります。ひと時、両親から離れて過ごす寂しさを忘れておりました。
白いコックコート風制服がトレードマーク。
今は、若い綺麗な女性店員さんも沢山働いておられるのですが、当時のイノダコーヒーは年配のおじさんがサービスしてくるのが当たり前でした。白いコックコートの様な制服を着た店員さんが(子供に対しても)恭しくコーヒーを運んできます。
このお店のスタイルなのですが、コーヒーに砂糖やミルクを入れたい人は自己申告制です。店員さんに頼むと入れたコーヒーを持ってきてくれます。(普通は運ばれたコーヒーに自分で入れるんですがね。)いまだに、そのスタイルは変わりません。そんなところも、なんとなく「店側主導」で、お客はなんとなくイノダ・スタイルに合わせる感があります。これは決して嫌な感じではなくて、最適なルールの中で美味しいものを楽しむという感覚があります。子供の頃のレッサーパンダはイノダコーヒーに行くのが楽しみだったのですが、反面、イノダに行くと緊張しておりまして、自分の父親より年上の店員さん(おじさん)にサービスを受けることで大人のマナーを勉強させてもらっていたように思います。
イノダに行くなら中庭が奇麗な三条店がおすすめです。
実はイノダコーヒーは1999年に火災をだしておりまして、かなり酷い状況でした。「これでイノダもおしまいかぁ。」と誰もが思っていたと思います。しかしながら、さすがイノダコーヒー、翌年には以前の雰囲気を残しながらリニューアルオープンしました。レッサーパンダのおすすめはここ三条店です。この店が昔のイノダです。
中庭が見えるオーバル状の大きなカウンターの席がおすすめです。
厚手のマグカップで出されるホットコーヒーもいいのですが、レッサーパンダはここのアイスコーヒーが大好きです。
小さなグラスで少々割高に見えますが味は太鼓判。
シンプルなドイツ風ケーキとアイスコーヒーを頼むと「慣れた方」という風に見られますよ。この店は「今日はイノダに行こう」というのではなくて「ちょっと寄り道しよう」というノリで行ってほしい地元に愛されるお店です。
かまえずに、「しゃらり♪」と行ってみてください。
今日は京都を代表する美味しいコーヒーの店のお話でした。それじゃ、またね。
イノダコーヒー 三条支店
場所:〒604-8111 京都府京都市中京区三条通堺町東入ル桝屋町69
TEL:075-223-0171
営業時間:10:00~20:00 (無休)