脱・満員電車!?京阪電鉄プレミアムカーの「ゆとり」は本物か?
レッサーパンダです。今日も、そろそろ会社に行く時間ですね。あなたは毎日どんな電車で通勤していますか?
京都と大阪を結ぶ関西の大手私鉄・京阪電鉄。その京阪電車に今年の8月20日、初めて有料の特別車両がお目見えしました。京阪電鉄が常設の有料特別車両を走らせるというのは開設から107年の歴史の中ではじめてだと思います。先日、その特別車両「プレミアムカー」に乗りましたので、その時の様子をレポートしたいと思います。
「ゆとりある空間デザイン」はキャッチフレーズどおり
このプレミアムカーは京阪特急8000系に連結されています。特急8両の6番目の車両になります。出入り口は1か所で扉をくぐると特別なエントランス・ゾーンが用意されており新幹線より贅沢に感じます。
席は3列シートで身長175cm程度の人なら席の前後にゆとりがあるので窮屈さは全く感じないと思います。シート幅も広く、左右にかなり突き出したヘッドサポートがあります。頭を預けて仮眠をとることも出来るでしょう。
「ゆとりある空間デザイン、包み込むようなプレミアムシート」というキャッチフレーズがパンフレットに載っていましたが、客席エリアを見る限り偽りは無いようです。
細かなところまで、至れり尽くせりのプレミアㇺ車両です。
細かなところを見ていくと、この列車、本当に至れり尽くせりの特別車両であることがわかります。例えば、キャリーバッグやベビーカーを預かってくれるラゲッジスペースが用意されていますし、各席には専用のコンセントやA4のパソコンが余裕で広げられる大型テーブルが1つずつ取り付けられています。また、プレミアムカーのみの専用無料Wi-Fiも使えて、乗車中のビジネスサポートも意識しているようです。
極め付きは全てのプレミアムカーに美人さんの専属アテンダントが乗車していること。プレミアム感アゲアゲです。
1回の乗車に500円。高いとみるか安いと思うか?微妙です。
本当によくできた「プレミアムカー」なのですが、冷静に考えると疑問も残ります。プレミアムカーの乗車券を購入するには距離により400円、もしくは500円の別料金がかかります。満員の通勤電車を避けて1カ月に20日間、通勤時に往復利用するとして16,000円~20,000円かかる計算です。確かに20,000円払ってでも特急に座って通勤したい人はいると思います。しかし、このプレミアムカー、現状では全ての人の希望を満たしてはいないようです。プレミアムカーはゆとりを持たせるために40席しかシートがありません。(通常の8000系は補助席を除いても58席あります。)なおかつ1列車につき1両だけです。また、乗車には事前予約が必要でレッサーパンダも通勤時の予約をしてみましたが、朝の通勤に一番使いたい午前7時前後の便は3日先まで満席でした。(9月3日現在)
誰もが使いたい時にすぐ使える車両ではないようです。これなら少し早起きして「準急」で座って通勤した方が、予約競争に参戦するよりも精神衛生的に良いですね。
そうそう、このプレミアムカーどうも「車内」や「駅のホーム」で予約がとれないことが弱点になっています。(予約は駅の券売窓口かネットのみとなります。)レッサーパンダが乗った当日も駅員さんと中年紳士の間で「空いているのだから乗せろよ!」と小競り合いが起こっていました。
また、大阪の淀屋橋駅から京都の祇園四条駅まで所要時間は54分。非常にカーブが多く、途中12カ所の駅にいちいち止まる京阪特急に新幹線の様な過剰なビジネスサービスが、本当に必要でしょうか? このことにも首をかしげたくなります。
乗客が本当に喜ぶサービスとは何でしょう。
京阪電車を日常の足として使う人にとっては、過剰サービスのプレミアムカーを1両追加するより、もっとお願いしたいことがあります。特急を含めて電車の本数をもっと増やすことでゆとりを出してほしいのです。あと、京阪電車はエアコンの効きが悪くて、寒すぎたり、暑すぎたり・・・そう長くない時間だからと耐えておりますが、これは長年の不満です。そのあたりを工夫と技術力で解消してもらえれば京阪電車ファンは確実に増えると思います。今後の京阪電鉄さんの奮闘に期待するところです。
今日は8月20日にスタートした京阪電鉄の「プレミアムカー」のお話でした。それでは、またね。
プレミアムカー運転時間
平日:京都方面行き7時台から22時台まで
大阪方面行き6時台から22時台まで
土・日曜・休日:
京都方面行き6時台から22時台まで
大阪方面行き6時台から22時台まで
料金例:淀屋橋→樟葉400円
淀屋橋→出町柳500円
※本文でも書きましたが予約は駅の券売所かネットでしかできません。くれぐれもご注意を。