宇治・平等院鳳凰堂のライトアップ。十五年ぶりの夜間特別拝観は紅葉観光の超穴場スポット!
今年の京都は10月が台風などで雨が多かったせいか、11月に観光客が集中しているようです。秋と言えば紅葉ですが、京都市内の神社仏閣、紅葉の名所はどこも人でいっぱいです。ゆっくり風情を楽しむどころではありません。そこで、京都からも近い宇治市にある穴場スポットをご紹介したいと思います。
平成の大修理後、初となる夜間特別拝観です。
レッサーパンダが住む宇治市はけっこう有名な観光スポットがありますが、その中でも人気があるのは「平等院・鳳凰堂」です。平成24年(2012年)9月から平成26年(2014年)3月まで平成の大修理という事で鳳凰堂は見学ができませんでした。今回、その改修後、初めての夜間拝観が行われるという事で行ってみました。
駅から歩いて10分で行ける便利な観光スポット
レッサーパンダたちは京阪電鉄・宇治駅から平等院に向かいました。駅を降りて宇治川を渡り平等院商店街を抜けると平等院はすぐ目の前です。通りには飲食店にまじり有名な「お茶問屋さん」が何店舗も並びます。
駅から約10分、おしゃべりしている間に到着です。平等院の入口の紅葉はすっかり色づいており、その赤の鮮やかさに思わず記念写真を撮ってしまいました。
いにしえ人の想いを受継ぐ「極楽浄土」の再現
平等院は元々、平安時代中期の公家・藤原道長が自身の別荘として建てた建物です。その息子である藤原頼道が寺院として改築し、今の鳳凰である「阿弥陀堂」を建立しました。「極楽浄土を現世に出現させる」ことを目的に建てられた鳳凰堂は見る人に現世の不安や不満をひと時忘れさせ、来世に憧れる信仰のよりどころとなりました。
現代に話をもどします。平成26年に大改修が終了した鳳凰堂は当時の絢爛豪華な佇まいを今に受継ぐ壮麗な建築です。寺院内に収められた阿弥陀如来坐像をはじめとした貴重な遺産は国宝の指定を受けており、世界文化遺産としても登録されています。
幻想的な紅葉のライトアップに時を忘れる
平等院は入口の山門から鳳凰堂を中心に大きく時計回りに一周することが出来ます。今回の夜間拝観の目玉は何といっても「紅葉」です。
特に美しいのは鳳凰堂の前の池に写り込む紅葉と鐘楼に続く道の大きな楓です。
夜間のライトアップは夜の暗さが昼間なら目にとまる余計な物を隠し、間接的な光が紅葉の赤を引き立たせます。
鳳凰堂の壮麗さに驚き、紅葉の赤さに感激し、貴重な文化財を収めた博物館「鳳翔館」(ほうしょうかん)をめぐる。その間2時間はまさに時を忘れる体験でした。
一番の魅力は何といっても「人が少ない」ということ
平等院・鳳凰堂は誰もが目にする10円硬貨に彫塑されています。また、1万円札の裏面には平等院の鳳凰が印刷されています。全国的にもっと有名になり集客してもおかしくない平等院ですが、京都市内の観光スポットの陰になり、今一つ認知が低いようです。
そのせいか、こんなに素晴らしい夜間特別拝観を行っているのに、園内は案外人が少なく混雑していません。これだけの国宝級の文化財や紅葉スポットがあるのに、ゆったりと拝観できるとは・・・拝観料も安いですし、これぞ穴場スポットです。
周辺には料亭やレストラン、以前にご紹介した辻利兵衛本店のような上質なカフェなどもあり1日楽しめます。ぜひ一度、足を運んでみてください。今回は十五年ぶりに開催されている宇治・平等院鳳凰堂の夜間特別拝観のお話でした。
平等院 夜間特別拝観「瑞光照歓 ~錦秋のあかり~」
開催日時:2017年11月18日(土)〜19日(日)
11月23日(木・祝)〜26日(日)
12月1日(金)〜3日(日)
18:00〜20:30(最終受付/20:00)
拝 観 料: 大人600円、中高生400円、小学生300円
交 通: 京阪電鉄・宇治駅、JR奈良線・宇治駅からともに徒歩10分。