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2017-11-20

絵を描くことの意味ってなんだろう?グループ展「9人の絵画展」に行ってきました。

レッサーパンダです。芸術の秋です。あちらこちらで絵画の展覧会が開催されています。有名画家の本格的なイベントから、趣味の絵画展など様々です。今日はレッサーパンダが絵を習っているМ先生が主催される絵画教室の絵画展に行ってきましたので、そのお話を書きたいと思います。

力作ぞろいの充実した展覧会でした。

偶然なのですがМ先生はレッサーパンダと同じ宇治市に住んでいる方です。画箋堂以外にもいくつか教室を持たれていて、今回は近鉄京都線・大久保駅の側で開かれている教室の展覧会です。宇治市に電子機器やLEDの製造販売をしているメーカーさんがあって、その企業が持つ3階建てのビルの3階で絵画教室を開催されています。1階が企業のショールーム、2階が多目的の展示ホール、3階が絵画教室。社長さんが芸術に関心の高い方の様です。今回の展覧会はこのビルの多目的ホールで開催されました。

まだ新しい綺麗なショールームのあるお洒落なビルの2階が今回の会場です。

まだ新しい綺麗なショールームのあるお洒落なビルの2階が今回の会場です。

教室の平均年齢は68歳と聞いて、正直あまり期待していなかったのですが(ごめんなさい)、行ってみてレベルの高さに驚きました。作品点数の多さ、会場の設え、何よりも力作の多さに驚きました。

鮮やかな赤で統一されたスタイリッシュな会場に驚きました。

鮮やかな赤で統一されたスタイリッシュな会場に驚きました。

アクリル画が中心ですが、本格的な油絵もちらほら。出展者の方の本気を感じます。

アクリル画が中心ですが、本格的な油絵もちらほら。出展者の方の本気を感じます。

描いた方の良き人生に触れられる円熟の作品

この展覧会に出展されている最年長の男性の作品が目にとまりました。86歳で、もと英語教師をされていた方とのことです。若い頃から絵が好きでコツコツと描かれていたそうです。シーンを切取る力や画力も素晴らしいのですが、何よりも絵にストーリーを感じました。イギリスの田舎の風景。素朴な田舎町を歩く男女。明らかに日本人と思われる男性と金髪の女性の後姿。仲睦まじいのですが、何かぎこちなくて遠慮がちに手をつなぐ二人。この方の若かりし頃の良い思い出に触れたようで、胸に爽やかな青春の風が吹き過ぎたようでした。

描いた方の青春の思い出がつまったような微笑ましい作品です。

描いた方の青春の思い出がつまったような微笑ましい作品です。

絵を描くことの意味ってなんだろう?改めて考えました。

絵を描く、立体作品を作ることの理由というのは人それぞれ、目指すものも違います。以前の画廊・マロニエなどでは、作品を通じて自分の情熱を表現する、自己実現、自分の存在を世の中に認めさせたいという野心。芸術をする(続ける)ということは、大変なエネルギーもいるし精神的にきつい時もあります。だから、そういうものを追求する人たちは、どうしても『トンガって』しまいます。そのトンガリで、どんどん上を目指す。それも一つの素晴らしい道です。でも、今回の展覧会を見て気づかされたのですが、トンガって自己主張するのではなく、その人の歴史が感じられるような作品は良いな。「その人らしさ」が作品に現れるというのは技巧や作風とは別物だなと思いました。

レッサーパンダは人物画が好きなので、ついつい目がとまってしまいます。

レッサーパンダは人物画が好きなので、ついつい目がとまってしまいます。

心に何か持っている人が描けば、その人の持っているものが自然と現れる。人がなんとなくその作品の前で足を止めて、思いをはせる。その作者と話したくなる。そんな作品、展覧会が良いなと思いました。

今回はレッサーパンダの個展に向けての良いヒントを頂けた展覧会でした。それでは、またね。

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