愛媛県「スーパー・フジ」地球のためにできること・おじさんたちの社会見学
レッサーパンダです。先日、ある研修会があって久しぶりに愛媛県に行ってきました。
愛媛県松山市を訪れたのは5年ぶりです。ミカンにお魚、新鮮な野菜と愛媛は「美味しい物王国」なのです。
空港のレストランで早速「鯛めし」を頂きました。美味な名物でエネルギーを充填!元気に研修会にでかけました。
四国の有名スーパーチェーン「フジ」に行ってきました
今回は社外の研修会で愛媛県の2つの企業を訪問しましました。1社は鰹節で有名な「ヤマキ」さん。鰹節を使った麺つゆなどの最新工場を見学させていただきました。もう1社は「株式会社フジ」さんです。愛媛県をはじめとする四国4県および広島県・山口県に店舗を展開するショッピングセンターチェーンです。そのスーパー・フジさんが取組む社会貢献活動が素晴らしいということで旗艦店の一つ「エフ・マルシェ」の取組を見学しました。
地産地消がテーマ!地域の農畜水産品を直売する「エフ・マルシェ」
エフ・マルシェは、地域の産業や地元のお客様と密接な関わりを持ちながら地産地消・地域交流を促進する農畜水産品の直売所です。地元の農家さんや漁師さんが獲れたばかりの産品を日に何度も持ち込みます。
特徴的なのは、持ち込まれる品が全て規格に適した品ではないことです。農協に持ち込むと引き取ってもらえない規格外に大きな野菜や、数が揃わない果物などもお店に並ぶのです。また、小さく形が悪いものは、スーパー・フジが加工食品として丁寧にお料理してお店に並べます。不揃いの品でも人の工夫と手間でりっぱな商品に生まれ変わるのです。食材の無駄を無くし、廃棄を増やさないのです。
また、エフ・マルシェは単なる野菜や魚の売り場ではありません。出品者の方々のこだわりをお客様に伝え、お客様の声を出品者に伝える手伝いをしています。生産者と消費者の重要な接点であり『顔の見える食材』を提供するための重要なハブ(hub)の役割を果たしているのです。
総合資源リサイクルセンターが提供する「100円堆肥」
店舗からの廃棄物の排出量を極力おさえ環境に配慮しているエフ・マルシェですが、それでも廃棄物が全くないわけではありません。見学の後半は、その廃棄物がどうなっていくのかを教えていただきました。フジ・グループでは、廃棄物を分別・計量し排出される種類や量を把握することで、再生資源を増やすとともに、焼却・埋立処分を減らすことで温暖化防止に努めています。それでは焼却や埋め立てをされない廃棄物はどうなるのでしょう。
スーパー・フジから出た廃棄食材は協力会社・株式会社ロイヤルアイゼンが運営する「総合資源リサイクルセンター」に持ち込まれます。このセンターは松山市で唯一の生ごみ堆肥化施設を持ち、年間約3000tの生ごみを堆肥にリサイクルしています。
持ち込まれた廃棄物(生ごみや木くず、伐採材など)は発酵促進を図るため、必要なエアー供給と攪拌を繰り返します。発酵熱を75℃以上に保ち熟成ヤードにて約6カ月かけて堆肥へと再生されていくのです。
リサイクルセンターは今では「環境保護」の旗手のように思われていますが、設置計画が持ち上がった当初は、臭いの心配や漠然とした悪いイメージを払拭するために大変なご苦労があったそうです。特に地元で農産物を栽培する農家さんから激しい反対があったのです。その一軒一軒を訪問し、環境のため、消費者のため、リサイクル事業がどれほど役立つのかを説得して回られたそうです。
今ではリサイクルセンターでできた堆肥が1袋100円で販売されおり地元の農家さんに有機肥料として大好評だとか。
センター長のお話では、ここの堆肥は地元でとれた食材からできているため、愛媛県の土ととても相性が良いそうです。非常に評判が良いので他所の県でも販売を・・・という話もあるそうですが、愛媛の食材からできた堆肥が他県で相性が良いかどうか実証ができていないことから、他所での販売は控えているのだそうです。なんとも律儀ですが、これがリサイクルの本来のあるべき姿なのかもしれません。
環境に優しいこれからの「三方良し」とは
その昔、近江商人は商売の心得を「三方良し」(売り手良し、買い手良し、世間良し)と唱えました。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるという意味です。今回、スーパー・フジさんを見学させていただき、まさに「三方良しとはこういうことなのだ」と思いました。
近江商人が活躍した江戸時代初期には「エコロジー」とか「環境保護」という言葉はまだありませんでしたが、現代の商売心得えは「売り手良し」、「買い手良し」、「世間良し」に加えて『環境よし』が重要なのですね。
今日は愛媛県松山市にあるスーパー・フジの環境貢献活動を見学させていただいたというお話でした。それでは、またね。
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