興味津々「ミシマ社の本屋さん」に行ってきました。
レッサーパンダは9月30日という日をとても楽しみにしていました。以前、ブログで紹介した京都の出版社ミシマ社が「ミシマ社の本屋さん」を開催する日だからです。
出版社が自ら自社の本を売る珍しい企画
ミシマ社は「ミシマ社の本屋さん」という名前で書籍の販売会&イベントを定期的に開催しています。ほぼ毎週あるのですが、たいていは金曜日で、月一回だけ土曜日開催の日があります。これまで、何度かお休みの土曜日に出かけようとしたのですが、その度に何かと用事が出来て3回も断念していました。4か月越しでやっと9月30日に訪れることができました。
ミシマ社はいったいどこにあるのか??
京阪電鉄・神宮丸太町駅のホームを出て地上にあがります。駅から川端通り沿いに少し南に向かったところと聞いていたのですが、いっこうに会社が見つかりません。レッサーパンダは地図ソフトで検索しながら、あたりを行ったり来たり。うろうろしていると細い路地を見つけました。
舗装もされていない砂利道です。でも、その路地に見覚えがありました。確かミシマ社のブログにあったような。他所のお家に入ってしまいそうで少々心配だったのですが勇気を出して入ってみました。もし、間違えたら『ごめんなさい。間違えました!』と元気に謝って引き返そう。
細い路地の奥には不思議な空間がありました。
以前、確かこんな小説があったよな。路地を奥にすすむと、その奥に異世界が・・・村上春樹だったかなぁ・・・そんなことを考えて通りを進むと、そこには古い日本家屋がありました。玄関とおぼしき板塀の門に小さな「ミシマ社」と書いた表札を見つけました。
玄関で一人の女性が熱心に何か作業をしています。「こんにちは」と遠慮がちに声をかけると「こんにちは!」と元気な挨拶が返ってきました。「こちらミシマ社ですか?本屋さんが今日開かれると聞いて来ました。」、「あぁ、ごめんなさい。今、看板書いていて・・・どうぞ、どうぞお入りください。」無事に到着出来たようでホッとしました。
本屋さんらしくない本屋さん。亀の池もあります。
レッサーパンダは出版社というと大きな建物を想像していたのですが、ミシマ社はなんと『民家』でした。1軒の家屋を借りて、1階を本屋さんにして、2階が事務所と会議室がわりの和室だそうです。
入口の前庭にはブログで見た亀の池もあります。これは社員の皆さんが会社で買っているペットの亀たちです。早速、「ミシマ社の本屋さん」に上がらせてもらいました。(全く、友達のお家におじゃましたようです。)
これまでのミシマ社の軌跡が見える本屋さんです。
畳の間がそのまま本屋さん(?)になっており、これまで見たことのある本(レッサーパンダが買った本なども)沢山おいてありました。また、丸善書店では見なかった本もたくさん展示されており、これまでのミシマ社の歩んできたヒストリーを感じます。
一つ一つ手に取ってページをめくっていると時間を忘れます。最初に玄関にいた女性Hさんがやってきて、レッサーパンダが最近はまっている作家さん井川直子さんのお話を聞かせてくださいました。(井川さんの本の話はまた別の機会に書かせてもらいます。)Hさんから井川さんの担当をしているという若い営業さんを紹介されて、その方からも色々お話を聞かせていただきました。
ミシマ社を訪れた作家さんたちが書いた色紙のお話や「コーヒーと一冊」というシリーズの話(通常の商流ではなく売切りを条件に書店に直接納め、通常2掛けを6掛けで納める書籍シリーズ。業界では画期的な取組らしいです。)など興味深いお話が次々と出てきます。また、ミシマ社には「営業チーム」、「出版チーム」、「制作仕掛けチーム」の3つの部署があり、先ほどのHさんは制作仕掛けチームで店頭POPの制作や店舗展開の企画などをしている人であるとのことでした。
社員の方とお話をしていると、何だか、時を忘れ「ほっこり」した時間を過ごすことができました。残念ながらこの日も午後から約束があり、井川さんの本を2冊購入してミシマ社を後にしました。昨今、出版業界は昔のように本が売れず競争が激しい業界とききます。でも、この「ミシマ社の本屋さん」を見る限り、あくせくせずに自分たちで大事に作った本を丁寧に売って、上手にビジネスにされており、何だか余裕を感じました。レッサーパンダは、これからも一冊入魂のミシマ社の本を楽しませていただこうと思いました。
今日は、京都の出版社「ミシマ社」が開く本屋さんのお話でした。それでは、またね。
「ミシマ社の本屋さん」
住所:〒606−8396京都市左京区川端通丸太町下る下堤町90-1
TEL:075-746-3438
営業時間:13:00~19:00
※営業日は「ミシマ社の本屋さん」ホームページでご確認くださいね。毎日やっているわけではありませんのでご注意を。