本家尾張屋本店の名物蕎麦に外国人観光客のすごい行列で超ビックリです!
京都は驚くほど長い間、家業を守っておられるお店が多いというのはよく聞く話です。100年程度では「最近越してきた人」扱いなんていう笑い話もまことしやかに囁かれる京都です。この本家尾張屋も550年以上つづく歴史のあるお店です。応仁の乱の2年前1465年に菓子屋として京都で商いを始めたそうです。現在は古いお蕎麦屋さんとして有名ですが、菓子司の仕事もしっかり受け継がれているお店です。
午後2時。蕎麦を目当てに並ぶ行列は外国人ばかりでした。
この日は、所用で有給休暇をいただき会社をお休みしていました。平日の貴重な休みを有効に使おうと朝から精力的にあちこちに出かけて、気がつくともう午後の1時50分。烏丸御池で、やっとお昼ご飯を食べる気になりました。「蕎麦食べたいな」と尾張屋を思い出しお店に向かいました。着いてみてビックリです。店の前には何やら人だかり、てっきり食後に店の前でたむろする方々と思い込み、店に入ろうとしたところ金髪、青い目のおじさんに「後ろに並べ」と日本語で叱られました。
一瞬意味が解らず、よくよく見ると20人以上の人たちは何と入店待ちの人たちでした。この時間に入店待ちの行列とは・・・本当に驚きました。「さっさとお昼食べて、早く次行こう」程度の気持ちで訪れたのですが完全に当てが外れました。
名物の「宝来そば」は以前とかわりなし。
すっかり口は蕎麦になっているので仕方なく並ぶこと20分、やっと席に着きました。 この店の名物は「宝来そば」というざる蕎麦です。
4段重ねのお重の様なざる蕎麦に天ぷらや薬味を乗せて直接「めんつゆ」を掛けていただきます。あまりお上品ではないのですが、レッサーパンダは蕎麦皿に残った「めんつゆ」を下の新しい蕎麦皿に順番に掛けていきます。最後にはめんつゆは一番おしまいの皿に全部溜まります。こうしておくと店の方が始末する時につゆを溢さずに綺麗に片づけることが出来るのです。
初め、この蕎麦を出された時は、たぶん「どうやって食べるんだ!」と思う方が多いと思いますが、ご心配なく。最近では「正しい食べ方のリーフレット」が料理についてきます。それも英語と日本語のバイリンガル版ですよ。
レッサーパンダが外国人観光客に思う事。
以前出かけた鳥丼の店「串くら」もそうだったんですが、最近、特に京都市内の飲食店は「こんなとこまで、やってくるのか!?」と思うようなレッサーパンダにとって内緒の店まで外国人でいっぱいです。行列していた時に話しかけられた香港から来たという母娘の情報によるとインターネットに日本の観光ガイドがいくつもあってリピーター用のマニアックなサイトもあるようです。外国のサイトはほとんど見ないのですが、京都のどんな店が出ているのか一度覗いてみたいと思いました。
もう、かなり以前のことになりますが、仕事でドイツのフランクフルトに行ったことがあります。休日に列車に乗りハイデルベルグという古い大学の街に独りで出かけました。駅前から山の上のお城に向かってぶらぶら歩いていると靴に穴が開いていることに気づき、近くにあった靴屋で1足購入し履き替えました。ドイツ語が良く分からなかったので英語で一生懸命しゃべっていると後ろから「ドイツ語を使え!この日本人め!!」みたいな酷いことを言われました。長い坂を登りつめてやっとお城に着くと後ろから大型観光バスに乗った訛りのひどい日本人観光客が大声を出しながらどっと押しかけてきて・・・「これは日本人、嫌われるわぁ」とつくづく思いました。
尾張屋で行列していて、ふとその事を思い出しました。きっとあのドイツ人も自分たちの故郷が無神経な観光客に踏みにじられるようで辛かったのでしょうね。でも、観光客にはマナー違反のどうしようもない人々もいる反面、しっかり日本文化を理解しようと真摯な姿勢でやってくる人もいるのでしょう。そんな人のためにも尾張屋さんのようなお店に頑張ってほしいものですね。
今日は外国人観光客で行列が出来ていた老舗蕎麦店、本家尾張屋本店のお話でした。それでは、またね。
本家尾張屋本店
住所:〒604-0841 京都市中京区車屋町通二条下ル仁王門突抜町322
(京都市営地下鉄・烏丸御池1番出口から徒歩3分)
TEL:075-231-3446
営業時間:11:00~19:00(L.O.18:30)
(お菓子の販売は9:00からのようです。行ったことないのですみません。)
きつね¥810、せいろ¥864、宝来そば¥2,160