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2018-04-09

誰にも教えたくない「満員の美術館を避けて名画と向き合う方法」~ターナー・風景の詩★閉館後貸切ナイトミュージアム

美術館に行くたびに思うこと「有名な画家やアーティストになればなるほど、人が多くてゆっくり作品を鑑賞することができない!」あなたも、そんな風に感じたことはありませんか?今日は、そんなあなたに絵画やアート作品とゆっくり向き合える方法をお教えします。

風景画の巨匠ターナー展-1日だけの特別企画「閉館後貸切ナイトミュージアム」

2月17日から京都文化博物館で「ターナー風景の詩(うた)」という展覧会が開催されています。(会期は4月15日まで)イギリスの画家ターナーが好きで、どうしても観に行きたいと思っていました。でも、いざ行こうと思うと人気画家だけに満員の美術館に足を運ぶのが億劫になっていました。そこに友人から嬉しい連絡が入りました。「3月31日(土)に閉館後のナイトミュージアムがあるけれど行く?」というお誘いです。二つ返事で飛びつきました。

夕暮れ時の京都文化博物館。展覧会を見終わったお客さんたちが一斉に出てきます。

夕暮れ時の京都文化博物館。展覧会を見終わったお客さんたちが一斉に出てきます。

料金は少しお高めですが作品の前に行列することを思うと少々料金が高いことなど苦になりません。当日は午後6時15分からのスタート。通常の閉館時間が午後6時ですから(当然ですが)一般の方が退館した後ですね。

迫力のある4階の見附。展示会場は4階が入口となり3階へと続きます。

迫力のある4階の見附。展示会場は4階が入口となり3階へと続きます。

ちょっと値段がお高いせいか無料で音声ガイドのレシーバーを貸してくれました。レッサーパンダは人の多い美術展や作品展は大抵、観たい作品を先に目星をつけて集中的に並びます。あと、図録を買って家に帰ってからゆっくり追体験をするのがスタイルなのです。しかし、今回はかなり余裕があり解説のパネルや資料もゆっくり会場で読むことができました。人の入りは通常の混んだ美術館の3分の1以下というところでしょうか。音声ガイドもゆっくり聞きながら観て回れたのでターナーに関する新しい情報に触れることもできました。

入口で貸してくれた音声ガイドの機械。普段は使わないのですが、これが大変役立ちました。

入口で貸してくれた音声ガイドの機械。普段は使わないのですが、これが大変役立ちました。

79歳で亡くなるまでに3万点の作品を制作

ご存じのようにターナー(ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー:1775-1851:ロマン主義)はイギリスを代表する画家でイギリス国内の風景のみならずイタリアやドイツなどに旅して多くの作品を残しています。壮大な大洋を進む帆船の絵が有名で、ご覧になった方も多いと思います。実はレッサーパンダがターナーを知ったのは美術の教科書や展覧会ではありませんでした。1991年に山下達郎というミュージシャンが「ターナーの汽罐車 –Turner’s Steamroller–」という楽曲を発表し、その題名になっていることをきっかけにターナーを知ることになりました。当時はターナーの作品の中に「汽罐車」というタイトルの作品があるのだと思っていたのですが、実は山下達郎が好きだった作品は『雨、蒸気、スピード』(Rain, Steam and Speed)だったということをかなり時間がたってから知りました。今更ですが、ターナーの経歴に触れると、1775年にロンドンで生まれます。実家は理容店で画家や芸術家の家系ではありません。14歳で美術学校の名門ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツに入学、26歳の時にはロイヤル・アカデミーの会員になったというから驚きです。その後、彼は76歳で亡くなるまでに3万点の作品を残しています。生きている間に世界的な評価を受けた希な芸術家の一人でもあります。

ある時、芸術を目指すひとりの男が晩年のターナーに「あなたのように絵が上手くなるにはいったいどうすればいいのですか?」と質問したそうです。するとターナーは「それは、この年まで毎日地味に絵を描き続けることさ」と答えたそうです。努力家のターナーらしいウィットにとんだエピソードです。

3階。外国で描いた山の風景が多くヨーロッパ中を旅したことがわかります。版画も多数。

3階。外国で描いた山の風景が多くヨーロッパ中を旅したことがわかります。版画も多数。

ターナーが版画作品を評価していたのには訳があった

洋画(油絵)や水彩画を多く手掛けたターナーですが、版画作品も多く残しています。自身が刷った作品もあるのですが、多くは腕利きの版画職人が彼のプロデュースで作品作りを行っています。ターナーは版画作品を高く評価していたらしいのですが、その訳が今回の展覧会の解説を聞いてわかりました。ターナーは「旅の画家」と言われるほどヨーロッパのあちこちを旅してまわっています。その土地ごとの風景や生活を作品にしているのですが、それを全て版画にして残しています。実は当時、ヨーロッパでは旅行が人々のブームになっており旅行本がたいへん良く売れました。写真が無い当時は画家の挿絵が旅行本の良し悪しを決める重要なポイントになっていたのです。ターナーは自分の名前を世間に知らしめることを目的に旅行本の挿絵を積極的に引き受け、本にするための版画を重要視していたらしいのです。生前に世間の評価を集めるための彼らしい戦略だったというのです。たいへん勉強になりました。

ミュージアムショップで買った絵葉書。小さなサイズですが作品に迫力があります。

ミュージアムショップで買った絵葉書。小さなサイズですが作品に迫力があります。

あなたも名画と向き合う素敵な時間をもってみては・・・

かなり以前の話になりますが、ニューヨークのメトロポリタン美術館に行った時、有名作品の前に椅子が置いてありました。座ると作品と一対一で向き合えることの素晴らしさに感動を覚えた記憶があります。今回のナイトミュージアムはその時の感覚を思い出させてくれました。人が少ないというだけで、こんなに作品世界にどっぷりと入りこめるものなのですね。2時間15分があっという間でした。

ナイトミュージアムに大満足で博物館の外に出ると、すっかり春の夜になっていました。

ナイトミュージアムに大満足で博物館の外に出ると、すっかり春の夜になっていました。

もし、あなたも作品とゆっくり向き合う時間が欲しいなら「ナイトミュージアム」はおすすめです。ぜひ体験されることをおすすめします。今日は京都文化博物館で開催された「ターナー展・風景の詩:閉館後貸切ナイトミュージアム」のお話でした。それでは、またね。

閉館後貸切ナイトミュージアムについて

料金:通常料金1,500  →  ナイトミュージアム2,500円(税別)でした。

会場:京都文化博物館 〒604-8183京都市中京区三条高倉

電話:075-222-0888

※博物館の方に聞くと、ナイトミュージアムは企画展がある際に、だいたい1日だけやっていて展覧会の開催後に告知をするケースが多いそうです。(事前告知をすると申し込みが殺到するから?)一般にはあまり知られていないので、事前にお問合せを。(今回は、あくまで京都文化博物館の場合です。)他の場所で開催される企画展もこっそりナイトミュージアムをやっている可能性が高いので事前にお問合せをしてみてはどうでしょう。

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