安井金毘羅宮の「縁切り縁結び碑」はちょっと怖い・願いが叶う寺社仏閣(その5)
願いが叶う京都の寺社仏閣の5回目です。今回はちょっと特別な神社のお話。縁切り神社として有名な「安井金毘羅宮」です。最近、人にこの神社を紹介することがあって、久しぶりに自分も出かけてみました。
世の中にはこんなに「縁を切りたい人」がいるのです
安井金毘羅宮は京都の東山、東大路通沿いにあります。丁度、祇園の八坂神社と東山五条(清水寺の登り口)の中間あたりです。この神社にお参りすると「悪縁が切れて」、「良縁と結ばれる」ということが口コミで広がり全国的に有名になっています。
一説によると祇園の芸者さんたちが悪い男と別れたい、嫌な旦那衆と縁を切りたいと願ったことがことの始まりだとか。世間で話題になってから随分時間がたつのですが、レッサーパンダが訪れたこの日も土曜日ということもあり長蛇の列でした。
お願いの仕方には作法があって、まず、形代(身代わりのお札)に願い事を書きます。それを持って、まず本殿にお祈りをします。
お祈りがすんだら「縁切り縁結び碑」という高さ1.5メートル、幅3メートルの絵馬の形をした巨石に向かいます。この大きな石には人ひとりが通れる穴が開いていて、まず正面からその穴をくぐります。石の上には亀裂がありそこから神様にお願いが届くそうです。
くぐった後、今度は逆からもう一度、穴を通って正面にでます。正面からくぐることで悪縁を絶ち、裏からくぐることで良縁が授かるそうです。
最後に形代を「縁切り縁結び碑」に貼りつけてお参りは完了です。行列に並ぶ人は、本当に「老若男女」。てっきり若い女性ばかりだと思っていましたが、多くの人が様々な思いを胸に行列しています。
それにしても、この人の多さ。世の中には縁に恵まれない人がこんなにいるのですね。
実は「櫛(くし)」供養の神社でもあるのです
レッサーパンダがこの神社に初めてお参りしたのはもう40年以上前で、祖母と一緒に訪れました。死んだ祖母は「日本髪」を結う人で沢山の「つげの櫛」を持っていました。傷んだ櫛を納めに来たのが最初です。神社の片隅には「久志塚(櫛塚)」があり普段は本当にひっそりしています。「縁切り縁結び碑」に並ぶ行列とは本当に対象的です。
毎年9月の第4月曜日に「櫛まつり」が実施されており、全国から寄せられた古い櫛が供養されています。また、お祭りの当日は古代の髪型や伝統的な舞妓さんの日本髪まで様々な髪を結いあげ、時代装束を身にまとった女性たちが祇園界隈を練り歩きます。なかなか壮観なようです。今年の櫛まつりは9月24日(月)13:00からだそうです。絢爛な時代風俗絵巻をご覧になりたい方はぜひどうぞ。
悲喜こもごも、人は出会いと別れを繰り返す
話は「縁切り」、「縁結び」にもどります。境内の一角には、かなりの数の絵馬が奉納されています。
良縁に恵まれお礼の言葉を丁寧に書いた微笑ましい絵馬も多いのですが、中には本当にドロドロした恐ろし気な絵馬もあります。
男女の気持ちの行き違いや、他者への恨みつらみが激しい言葉で書かれている物も見受けられます。
一つ一つを丁寧に見ていくと「人の人生は本当に悲喜こもごも。みんな幸せになってよ!」と声をかけて励ましたいような気持になります。
レッサーパンダは何をお祈りしたのか・・・
それでは、レッサーパンダはいったい何をお願いしたのか?実は何もお祈りしませんでした。拝殿にも手を合わせずに帰ってきました。
今のところ、縁を切りたい人もいないし、良いご縁にも恵まれていますので、お祈りの必要が無いように思えたのです。レッサーパンダ的には良縁も悪縁も自己責任。どちらもしっかり受け止めたいと思っています。
今日はお祈りすると「悪縁が切れて」、「良縁と結ばれる」という安井金毘羅宮のお話でした。それでは、また。
安井金毘羅宮
住所:〒605-0823 京都府京都市東山区東大路松原上ル下弁天町70
TEL:072-982-3621
交 通:
◆京阪本線「祇園四条」駅から南東へ徒歩10分
◆京都駅から市バス206系統北大路バスターミナル行、「東山安井」下車、南へ徒歩1分
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