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2018-04-23

この本読みました!「未来の年表」・作り話では無い「日本消滅」の現実!

レッサーパンダは大人用紙おむつを作るメーカーのお客様相談室で仕事をしています。毎日たくさんの方々からお電話をいただくのですが、日々、感じるのは日本が超高齢社会に突入したという実感です。「この先、世の中はいったいどうなるのだろう?」と考えてしまいます。そんな中、その答えをつまびらかにしてくれている1冊の本に出会いました。河合雅司という方が書いた「未来の年表」という本です。

「自分だけは人と違う!」そう思っても人は皆おなじように年をとります。月日は残酷です。

「自分だけは人と違う!」そう思っても人は皆おなじように年をとります。月日は残酷です。

40年後の日本はどうなっているか?想像がつきますか?

最近、やっと「2025年問題」という言葉が定着し人々の話題にのぼるようになりました。ご存じのように「団塊の世代が全て75歳以上となり介護・医療費などの社会保障費の著しい増加が社会の大きな負荷になる」という問題です。この様な切実な問題が私たちの暮らしに大きなインパクトを与えることになるのですが、世間では2020年の東京オリンピック開催、2025年の大阪国際万国博の誘致など「バラ色の未来」の幻想をいまだに追い続けています。もう、7年先に迫った大問題にさえ私たちは決定的な方策を持っていないのが現実です。本書では、2025年問題のその先の日本について語っています。2042年、日本の高齢者人口がピークを迎える頃には、この国はいったいどんな社会になっているのでしょう。2065年頃には今と同じような日本は存在するのでしょうか?

既に多くの書店に並んでいますので、既にお読みの方も沢山いらっしゃることでしょう。

既に多くの書店に並んでいますので、既にお読みの方も沢山いらっしゃることでしょう。

著者が言う「静かなる有事」とはなにか

本書の中では、これから日本という国がどうなっていくのかを説明するにあたり「人口減少カレンダー」という年表を示しています。そのマイルストーンをいくつか挙げると

2020年 女性の半数が50歳を超える

2024年 全国民の3人に1人が65歳以上

2027年 輸血用血液の極端な不足

2039年 火葬場が不足

2040年 自治体の半数が消滅

2042年 高齢者人口が約4000万人とピークに

2050年 世界的な食糧戦争に巻き込まれる

2065年 外国人が無人の国土を占拠する

著者は今の日本に対して『静かなる有事』という言葉で警鐘を鳴らしています。もう既に「少子高齢化」対策などという呑気な問題ではなく、地方では「無子高齢社会」に備える時期なのです。本文に添えられたデータや文献の数々は、本書が語るところが絵空事、作り話ではなくリアルな現実だという事を実感させます。



「戦略的に縮む」という考え方

非常にネガティブな話題が続く本ですが、後半の第2部では「日本を救う10の処方箋」という具体的な施策を提言しています。日本は今後「戦略的に縮む」ことを念頭に社会を再構築しないといけないと言うのです。1億人の人口維持のために外国人の大量移民を許し、日本のアイデンティティーを失うのではなく、『小さくてもキラリと輝く国になる』ということが大事であると主張しています。本書を手に取った私たちに「日本人のあるべき姿」とは何か「私たちのありたい姿」はどのようなものかを自己の問題としてとらえ、考えるヒントを与えてくれます。

残された時間で私たちにできること

毎日、ご高齢者から沢山の電話をいただいています。それを聴いているレッサーパンダには、著者が言う「静かなる有事」がリアリティーをもって響きます。例えるなら「夏だと思っていた季節が、いつの間にか秋になり、気がついたときには極寒の真冬になっていた・・・。しかも凍てつく冬は春には向わなくて、いつ終わるか想像もつかない」その様に感じています。

「手を取り合って笑いあえる」日本の未来がそんな明るい社会である事を心から祈ります。

「手を取り合って笑いあえる」日本の未来がそんな明るい社会である事を心から祈ります。

人間は厳しい現実から目を逸らしたいと思うものです。この本は、現実と向き合うための教科書として最高の1冊だと思います。まず現実に目を向け、そして私たちは子供や孫の世代のために何ができるかを考えましょう!この国を揺るがす真の国難に直面するのは25年後。25年という時間を長いとみるか短いとみるかは人により違いますが、著者が言う様に「25年という月日は、何もしないでいるには長すぎるが、何かに取り組むにはあまりにも短い時間」というのは事実です。

本書はこれまで読んだ沢山の高齢社会関連の本の中でも、極めてインパクトのある著書でした。子供を持つ親世代だけではなく、これから厳しい現実に直面していく若い人たちにもぜひ読んでほしい1冊です。今日は人口減少の日本でこれから起きることを教えてくれる本「未来の年表」のお話でした。それでは、また。

「未来の年表」

作者:河合雅司

発行:講談社 現代新書

価格:760円(税金別)

ページ総数:206ページ(本編+あとがき)



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