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2018-06-28

「清明神社」伝奇と空蝉(うつせみ)のはざまに今もたゆたう陰陽の社・願いが叶う寺社仏閣(その7)

レッサーパンダです。行こう行こうと思いながら足を運べていなかった場所があります。今回、やっと出かけることができました。それは京都・堀川通一条にある「清明神社」(せいめいじんじゃ)です。

清明神社の石鳥居。ここは、もともと阿倍野清明の屋敷があった場所だそうです。

清明神社の石鳥居。ここは、もともと阿倍野清明の屋敷があった場所だそうです。

本当にいた陰陽五行をあやつる陰陽師

この神社、最近はすっかり有名になってご存じの方も多いのではないでしょうか。清明神社の『清明』とは平安時代の陰陽師『阿倍野清明』のことです。その阿倍野清明を御祭神にしているのがこの神社なのです。

晴明のシンボルは言わずとしいれた五芒星(晴明印=セーマン)。

晴明のシンボルは言わずとしいれた五芒星(晴明印=セーマン)。

阿倍野清明は天文陰陽博士(天文や占いを司る役職)として朱雀帝から村上、冷泉、円融、花山、一条の6代の天皇の側近として仕えたとされています。当時の朝廷や貴族たちの信頼が篤く、その事跡は神秘化されて数多くの伝説的逸話を生んでいます。そのあたりは夢枕獏さんの小説「陰陽師」にも描かれており、狂言の野村萬斎さんが主演した映画が大ヒットしたりしました。

昔に比べ、本殿が本当に綺麗で立派になっています。参拝者が増えたから?(笑)

昔に比べ、本殿が本当に綺麗で立派になっています。参拝者が増えたから?(笑)

阿倍野清明は歴史上の実在の人物で帝に使えた役人ですが、そのエピソードは呪術師そのもの。「陰陽五行を司り、魔を払う魔法使い」のような存在をイメージする人も多いはずです。

芸能人や文化人、スポーツ選手など有名人の絵馬が所狭しと飾られています。

芸能人や文化人、スポーツ選手など有名人の絵馬が所狭しと飾られています。

このロマンチックな呪術的キャラクターと実在した平安時代の官吏という歴史的な事実のギャップが阿倍野清明をとても魅力的なものにしています。そのせいか、この神社、いつ来ても女性の参拝者がとても多いのです。

神社秘蔵の肖像画をもとに作られた清明の像。かなりリアルです。

神社秘蔵の肖像画をもとに作られた清明の像。かなりリアルです。

晴明神社は「魔除け」、「厄除け」だけではない

今ある清明神社はそもそも阿倍野清明の屋敷跡だそうです。御祭神が陰陽師だったこともあり「魔除け」、「厄除け」にご利益があるとされています。その為、厄払いに訪れる方が後をたちません。でも、清明神社はそればかりではないのです。陰陽師は占い師です。京都では古くから、事を起こそうと思ったときに、今がその時期かどうかをこの神社に占ってもらいに来る人が多いのです。

清明が念力で湧き出させたといわれる「清明井」。今も飲めます。

清明が念力で湧き出させたといわれる「清明井」。今も飲めます。

例えば、起業するとか、大規模な新しいプロジェクトを始めるなんていうビジネスマンも来ます。(不思議ですね。)また「清明=姓名(せいめい)」ということで『名づけ』の神社でもあります。実はレッサーパンダ家の双子の子パンダも、この神社で名前をいただきました。10歳目前にして、一度、「こんなに元気に育ちました」とお礼参りをしたいなと考えていたのです。忙しくしていたので、お参りが今となってしまいました。やっと念願が叶いました。

古来より魔除けとされた「桃」。なでると良いことが・・・

古来より魔除けとされた「桃」。なでると良いことが・・・

羽生結弦「愛LOVE」が止まらない!!

清明神社は、もともと若い人にも人気の神社なのですが、最近、この神社をいっそう有名にした、ある事件が起こりました。スケートの羽生結弦さんが陰陽師をテーマに平昌五輪フィギュアスケート男子シングルで連覇を成し遂げたのです。(レッサーパンダが言うまでもなく、皆さんご存知ですよね。)

結弦くんの金メダル、国民栄誉賞を祝って絵馬を奉納する女子が本当に多いですね。

結弦くんの金メダル、国民栄誉賞を祝って絵馬を奉納する女子が本当に多いですね。

そんな訳で、この神社を訪れ羽生結弦さんの健闘を祈るフィギャースケート大好き女子が後をたちません。若い女子から年配の女子(?)まで、これがまたすごいのです!神社参拝の際は、またちょっと別の楽しみ方ができますよ(笑)。

羽生結弦さんLOVEの絵馬が境内のあちこちに。どれも作り込みがすごいのです!!

羽生結弦さんLOVEの絵馬が境内のあちこちに。どれも作り込みがすごいのです!!

式神(しきがみ)を探して本当の「一条戻橋」へ

阿倍野清明の伝説で有名なのが「式を打った」という逸話です。式(しき)というのは、表現が難しいのですが、簡潔に言うと「この世の物ならざる鬼を使役する」といったところでしょうか。式神(しきがみ)とも呼んだそうです。

清明の肖像。右下にいるのがうわさの「式神」です。

清明の肖像。右下にいるのがうわさの「式神」です。

阿倍野清明はこの「式」たちを使役し退魔行を行いました。また、身の回りの世話などもさせていたとのことです。ある日、清明の奥さんが偶然、屋敷で式神を見つけてしまいます。奥さんは恐ろしがって「こんな屋敷に住めない」と言い出す始末です。そこで清明は「一条大路」に堀川を渡る橋として架橋されていた「一条戻橋」の下に式神たちを住まわせました。

今も残る一条戻橋。石でできた欄干は新しい物。本物の礎石は清明神社の境内にあります。

今も残る一条戻橋。石でできた欄干は新しい物。本物の礎石は清明神社の境内にあります。

決して屋敷には入れず必要に応じて呼び出したというエピソードがあるのです。実はこの「一条戻橋」は今も存在します。第二次世界大戦の頃には、「無事に戻る」という願掛けで出征兵士にこの橋を渡らせ、送り出したそうです。橋は清明神社から南に100mほど行ったところにあります。レッサーパンダたちも足を運んでみました

戻橋の下は遊歩道になっています。今でも式神が出そうな雰囲気アリ。

戻橋の下は遊歩道になっています。今でも式神が出そうな雰囲気アリ。

。生まれて初めて戻橋の下に降りた子パンダたちは、本当に「式神」が現れるのではないかと非常に緊張しておりました。この旧・堀川は今では公園として綺麗に整備されており、ちょっとした市民の憩いの場となっております。

昔の堀川は、まるでドブ川の様でしたが、今では澄んだ水が流れる綺麗な川&公園です。

昔の堀川は、まるでドブ川の様でしたが、今では澄んだ水が流れる綺麗な川&公園です。

ミステリアスな阿倍野清明・伝説に思いをはせる不思議でロマンチックなひと時を過ごすことができました。

神社の境内に咲く桔梗。五芒星の形をしていることから昔から清明の花と言われます。

神社の境内に咲く桔梗。五芒星の形をしていることから昔から清明の花と言われます。

今日は京都の陰陽師、阿倍野清明・伝説が残る「清明神社」のお話でした。それでは、また。

 

清明神社

住所:〒602-8222京都市上京区晴明町806(堀川通一条上ル)

参拝時間:9:00〜18:00(無休)

TEL:075-441-6460 (9:00~18:00)

 

交 通:

◆京都市バス

◯JR 京都駅より9番「一条戻橋・晴明神社前」下車 徒歩約2分

◯阪急 烏丸駅、地下鉄四条駅より12番「一条戻橋・晴明神社前」下車 徒歩約2分

◯京阪 三条駅より1259番「堀川今出川」下車 徒歩約2分

◆地下鉄 今出川駅より徒歩約12分

◆駐車場 神社の南側に駐車場(コインパーキング)があります。

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