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2020-03-02

誰でも描ける!アクリル絵画の優しい手ほどき・水彩画紙編

こんにちは、レッサーパンダです。先日、3月が誕生日の母に「プレゼントは何がいい?」と尋ねたところ「寝室に置ける小さな絵を描いてほしい」と言われました。絵を描いてほしい?!壁に掛けるのではなく、スタンドか何かでベッドの枕元に置きたいそうです。テーマは植物という注文です。

ホルベインのアヴァロン水彩画紙が手に入ったので使ってみる

小さな作品といっても、どのくらいのサイズがいいのか本人のイメージがわかりません。確認するために、F0号のキャンバス(13.9㎝×17.9㎝)を見せたところ、これでも大きいといいます。仕方がないので専用の小さな額を仕入れました。額というよりも写真スタンドです。

ちょうど、画材店のバーゲンで買って使っていなかった「アヴァロン」という水彩画紙がありました。それを使って初めてアクリル絵具で水彩画紙に絵を描くことにしました。題材は一昨年の夏に近くの三室戸寺というお寺で写真に撮った「蓮」を選びました。

ちなみにアヴァロンという紙はホルベイン社(油絵具やアクリル絵具、水彩絵具、ドローイングインク等を製造している企業で大阪本社)が取扱うイギリス製の有名な水彩画紙です。

真っ赤な表紙が印象的な「AVALON]。12枚綴り、バーゲンでも2500円とけっこうお高め。

真っ赤な表紙が印象的な「AVALON]。12枚綴り、バーゲンでも2500円とけっこうお高め。

AVS-F4という型番で、中目300g 中厚口 12枚とじ、しっかりした厚みと表面に少し粗いエンボスがあって存在感のある紙です。白くて発色がとても良い紙です。半面、絵具の吸い込みが早く、「ふき取り」や「ぼかし」が掛けにくい、実は、ちょっと扱いが難しい紙だそうです。下絵のところまでは2時間ほどで描き上げたのですが・・・。

下絵はさらさらと、こんな感じで描けました。もう少し描きこみましたがそれでも2時間弱。

下絵はさらさらと、こんな感じで描けました。もう少し描きこみましたがそれでも2時間弱。

8.5cm×8.5cmという小さな絵の世界

額のサイズは14cm×14cm、作品の見える部分は8.5cm×8.5cmという本当に小さなものです。小さい絵だから1週間程度で簡単に描けるだろうと、少々、甘く見ていいました。ところが、下絵は2時間ほどで描いてしまったものの、その後の彩色で予想以上に苦戦してしまいました。小さな絵は乱暴に描くとリアリティがどんどん損なわれます。

彩色を進めますが、キャンバスと勝手がかなり違います。

彩色を進めますが、キャンバスと勝手がかなり違います。

もともと、アクリル絵具はチューブから出した時点の色と、ペインティングメディウムや水で溶いた時と、キャンバスなどに彩色して乾かした後では色が全く違います。それを水彩画紙で彩色すると、この色の変わりようが予想よりも大きいのです。特にこのアヴァロンという紙は本当に発色が良すぎるのです。明るく鮮やかなのはいいのですが、普通の感覚で描くと鮮やかすぎて「嘘っぽい」感じがします。特に赤は鮮やかさがとても際立ちます。

乾くと色が変わっていきます。イメージの色になかなか近づきません。

乾くと色が変わっていきます。イメージの色になかなか近づきません。

そこで、Liquitex社のPRIMEというシリーズの「パーマネントローズ」という絵具を買ってみました。このPRIMEは通常のアクリル絵具よりも少々高級なシリーズです。

乾燥後の色変化が少ない絵具「PRIME]を試してみました。色は鮮やかなピンク色です。

乾燥後の色変化が少ない絵具「PRIME]を試してみました。色は鮮やかなピンク色です。

Liquitex社の解説では「透明度の高いアクリル樹脂を使用しているので乾燥による色の変化が少ないアクリル絵具」とのことです。このパーマネントローズとジンクホワイトを加減しながら、ゆっくりと描き進めました。

パーマネントローズを使ってみました。少々、鮮やかすぎるのでジンクホワイトで調整です。

パーマネントローズを使ってみました。少々、鮮やかすぎるのでジンクホワイトで調整です。

 

やっと完成、額縁に収めてみると・・・

下絵を書き出してから約4週間、予想以上の大苦戦でやっと作品が完成しました。

最終段階、まだ少しピンクが強いので白で調整していきます。

最終段階、まだ少しピンクが強いので白で調整していきます。

鮮やかな発色の綺麗なピンクの蓮が描きあがりました。しかし、額に収めてみて大きな誤算に気が付きました。額縁の絵にかかる部分の幅が予想よりも大きく画角が当初イメージしたものと変わってしまいました。(しまった!!)どうやら通常のキャンバスなどの比率で考えていたよりも、かぶりこみが深かったようです。絵はそれなりに見栄えはするのですが、明らかに失敗です。母の誕生日は迫っており、今から描き直す時間もない、仕方なくラッピングして届けました。受け取った母は、たいへん喜んでくれたものの、何とも残念です。

完成した作品を額に入れたところ。しっかり測ったはずですが、枠のかぶりこみが少々多め。

完成した作品を額に入れたところ。しっかり測ったはずですが、枠のかぶりこみが少々多め。

プラスチックのスタンドでは味が無いので真鍮のスタンドを用意してみました。いい感じ。

プラスチックのスタンドでは味が無いので真鍮のスタンドを用意してみました。いい感じ。

時間を作って水彩画紙も練習してみたい!

今回、アクリル絵具と水彩画紙を使って小品にチャレンジしたのですが、予想外の苦戦でした。麻のキャンバスとはかなり勝手が違うことを実感しました。また、逆に繊細な作品を描きたい場合は、水彩画紙の方が向いていることも描いてみてよくわかりました。やはり、画材は描きたいテーマによって使い分けるのが王道のようです。それに通常の額よりも安いフォトフレームは、使い勝手はいいのだけれど、作品として仕上げるには、かなり注意も必要みたいです。今回、母親のおかげで色々と勉強をさせてもらいました(笑)。また、時間がとれれば、水彩画紙にじっくり再挑戦したいと思っています。今日は水彩画紙を使ったアクリル絵画のお話でした。それでは、またね。

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