木屋町の有名店「豆水楼」は豆腐好きを本当に満足させられるのか?
レッサーパンダです。年が変わって寒さが増したように感じますね。この季節やっぱり温かいお料理を食べたくなりますよね。ということで、今回、体が芯から温まる湯豆腐を食べに京都の有名豆腐料理店「豆水楼」(とうすいろう)に出かけました。
豆腐に対する深い思い入れのお話
子供の頃から豆腐は大好きでした。冷奴も良いのですが小学生のころから湯豆腐が大好きです。濃い醤油とネギや生姜の薬味、時には七味を掛けて食べるという生意気な子供でした。高校時代に司馬遼太郎の歴史小説「花神」を読みました。
「花神」は江戸末期に戊辰戦争で天才的な軍才を振るい、近代日本兵制を創始した医師で兵学者の大村益次郎の生涯を描いた小説です。小説中の益次郎は高位の職についても湯豆腐をあてに酒を飲むのが楽しみという素朴な天才でした。そんな大村益次郎に憧れました。レッサーパンダの豆腐に対する思い入れは思春期の憧憬と重なりまして(ちょっと恥ずかしい)未だに豆腐と言えば湯豆腐です。
そんなわけで寒い季節になると木屋町にある豆水楼に足を運んでいます。古い京町屋の雰囲気がレッサーパンダには大村益次郎が生きた時代と重なります。(豆水楼さんは大正時代の町家をそのまま使われているそうで、江戸時代の物ではありません。あしからず。)図らずも大村益次郎が命を落とす原因となる暗殺にあったのも、ここ三条木屋町です。
豆腐だけじゃない。四季折々の逸品を楽しむ。
豆水楼の湯豆腐は「おぼろ豆腐」と呼ばれ、天然にがりを使ったこだわりの豆腐です。醤油が入った壺を一緒に温めることができる「豆腐桶」で出されます。
お替り自由で、お店のお姉さんが豆腐桶の様子を見ながらお替りの加減をこまめに尋ねてくれます。
大変美味しい湯豆腐ですが、美味しいのは豆腐だけではありません。
京料理らしい懐石仕立ての逸品料理が楽しめます。綺麗な先付や、吹き寄せ、体にしみる椀物などが供されることで、湯豆腐がなお美味しくいただけます。お酒もどんどん進みます。
豆腐好きにも高評価をいただいた豆水楼の豆腐料理
大村益次郎は燗酒が冷めないように、胡坐をかいた股の間に徳利をはさんで湯豆腐を楽しんだそうですが、懐石料理と一緒に湯豆腐を楽しむのが現代の正しい楽しみ方です。
奇をてらって料理が頑張りすぎず、豆腐の美味しさを損なわない懐石。それでも料理の一皿一皿にきっちりと主張がある。豆水楼のお料理はそんな感じでしょうか。
この日も味に厳しいお豆腐好きと一緒に出かけましたが、合格点をいただけました。
春が来るまで、まだまだ寒さはこれからが本番、また近いうちに豆水楼さんのお世話になりそうです。
今日は三条木屋町の豆腐料理店「豆水楼」のお話でした。それでは、また。
豆水楼(とうすいろう)木屋町本店
住所:京都市中京区木屋町通三条上ル上大阪町517-3
営業時間:月~土 昼 11:30~14:00(LO)
夜 17:00~22:00(LO/21:30)
日・祝 昼 12:00~15:30(LO/14:30)
夜 17:00~21:30(LO/20:30)
TEL:075-251-1600
料 金:本日頂いたお料理は夜の献立で「雅」(みやび)¥5,800(税別)。
他に東山¥4,000、高瀬川¥4,800(ともに税別)も有り。