必見!ゴッホ展「巡りゆく日本の夢」であなたが見るべき作品はこれ
ゴッホと言えば誰もが知っている天才画家ですよね。主にフランスに拠点をおき19世紀の後半に活躍した人です。今でも世界中にファンが多く絶大な人気を誇っています。
レッサーパンダも「ひまわり」を描いた連作やフランスのアルル地方を描いた「種まく人」など明るいタッチで描かれた作品は大好きです。そのゴッホの展覧会が、京都・岡崎公園にある京都国立近代美術館で開催されています。
日本の美術に魅せられたファン・ゴッホのジャポニズム
オランダで生まれたゴッホは1886年に画家としての大成を誓いフランスのパリに移り住みます。当時のパリはジャポニズムが大流行。印象派の画家たちがこぞって日本趣味に傾倒していました。ゴッホもジャポニズム最盛期のパリで大きな影響を受けます。
今回の展覧会は「巡りゆく日本の夢」という副題がついており、作品を通じてゴッホがいかに日本の影響を受けていたかを解かり易く解説してくれます。ゴッホの代名詞となっているアルル時代の作品も多数あるのですが、面白いのは日本の浮世絵の影響を受けて複数の模写を残していることです。
ファン・ゴッホの浮世絵作品から模写について考える
模写というと一般的には他人が描いた絵をできるだけ忠実に写し取ることにより、作画の手順や技法を学習することと思われています。ゴッホも当時の印象派の作品にない構図や色彩などの表現方法を「浮世絵」に学ぼうとしました。でも天才ゴッホの模写は単なる習作では終わっていません。パリで沢山の浮世絵に触れたゴッホは油彩での模写にオリジナリティーを出そうと葛藤しています。浮世絵の美人画の背景には竹林や蓮、蝦蟇(ガマ)などを配し独特のジャポニズムを構築しています。模写でも描く人に力があれば、立派な作品になるのですね。
また、作品によっては「漢字」を写し取りデザインの一部として取り入れています。たぶん、ゴッホには漢字の意味など全く分からなかったと思うのですが、苦労して手本となる浮世絵に記された漢字を一生懸命描いている様が作品から伝わって来ます。強面のゴッホがちょっと可愛らしく感じます。もし、あなたがこの展覧会に行くのなら、花魁や風景を描いた浮世絵の模写は必見です。天才ゴッホがいかに日本の文化と真剣に向き合っていたのかが良く解かります。でもゴッホのやっていたことを年代ごとに見ていくと「この人、変わり者で作品売れなかっただろうなぁ。」と思わずにいられません。時代が彼に追いついていなかったというよりも「本当に自分の好きなことしかしなかった」人だったことが良く解かります。現にゴッホの作品は生前に売れたのは、たった1作品だったそうです。それでも亡くなって30~40年後に評価され、今では1つの作品が70億円、80億円という値段がつくのですから人生には何が起こるか解からないものですね。
孤軍奮闘の京都国立近代美術館にはビッグ・ネームが目白押し
今回の展覧会は「ゴッホって『日本びいき』だったらしいけど、日本のことがどれほど好きだったの?」という疑問に上手に答えてくれていました。展覧会だけでなくオランダ観光局が開催する講演会などもあり、ゴッホの作品作りの背景も丁寧に解説してくれていました。
実は現在、京都国立近代美術館の真向かいにある京都市立美術館が再整備中で閉館しています。この二つの美術館は京都では双璧を成しているので京都の美術ファンにとって、平成30年は大変残念な年です。そんな中、京都国立近代美術館は孤軍奮闘しており、今年は6月に「横山大観」展、8月に「東山魁夷」展、10月に「藤田嗣治」展が開催予定でビック・ネームが続き楽しみです。元々、レッサーパンダは国立美術館派なのですが、今年は例年以上に応援したい気分です。
今日は京都国立近代美術館で開催されているゴッホ展~巡りゆく日本の夢~のお話でした。それでは、またね。
ゴッホ展~巡りゆく日本の夢~
会期:1月20日(土)~3月4日(日)
(休館日・月曜日、2月12日除く、2月13日も休館)
開館時間:午前9時30分~午後5時(金・土は午後8時まで)
場所:京都国立近代美術館
〒606-8344京都市左京区岡崎円勝寺町
TEL:075-761-4111
料 金:一般1,500円、大学生1,100円、高校生600円
※レッサーパンダはJAF割引で前売り扱い1,300円でした。