感じるパッケージデザイン展in京都・パッケージが今、面白い!
レッサーパンダです。かれこれ1カ月ほど前になるのですが、知人の絵画展を見に行くために京都の烏丸御池から東に向かって歩いていたときのことです。待合わせの時間が迫っており、少々急いでいたのですが、途中で面白い物を見つけました。何やら、こちらも展示会を開催している様子、どうしても気になって、ちょっと寄り道です。
真っ赤な暖簾(のれん)に誘われて「しまだいギャラリー」へ
御池通りと東洞院通りが交わる角に真っ赤な暖簾(のれん)のかかった古めかしい建物が。以前から気になっていた「しまだいギャラリー」です。看板代わりの暖簾には「感じるパッケージデザイン展」と白い文字で染め抜かれています。
会場となっているこの「しまだいギャラリー」は国の登録文化財となっている歴史ある建物です。
江戸時代中期から続く酒問屋ですが、その発祥は1608年創業の糸割符商(いとわっぷしょう)です。糸割符商とは生糸の輸入商人のことだそうです。
中に入ると伝統的な町家空間を巧みに使った前衛的なギャラリーです。酒蔵時代の井戸の跡や土間、漆喰と古木で構成された室内は遥か昔にタイムスリップしたような錯覚にとらわれます。初めてなのに、何だか懐かしい非日常空間なのです。
JPDA・日本パッケージデザイン協会について
今回の展覧会を主宰しているのは公益社団法人 日本パッケージデザイン協会(Japan Package Design Association)という団体でパッケージデザインに関わるデザイナーや企業の団体です。その歴史は意外と古く1960年に創設されています。パッケージデザインの向上・普及及び啓発を目標に活動を続けています。今回の「感じるパッケージデザイン展」では協会員100人がその作品を展示しており、新しい探求の成果を披露しています。
東京オリンピックに向けて3回にわたり開催される展覧会
日本パッケージデザイン協会は2020年のオリンピックに向けて3回の展覧会を企画しているそうです。「感じるパッケージデザイン展」は3部企画の第2回目で、1回目は既に2016年に開催されています。第1回目のテーマは「うつくしい日本語」をテーマに言葉の存在感と美しさを伝える企画でした。第2回目は言葉と言うボーダーを超え「言葉はなくても伝わる」をテーマにしています。
例えば、日本語を知らない海外の方にもとどくデザイン、目の不自由な方にも響くフォルムやテクスチャー。例えば、見ただけで柔らかさや硬さが伝わるカラーリング、言葉を持たないからこそ、感じられる何か。商品名やキャッチコピーがなくても、国・文化・年齢をも超えてコミュニケートできるパッケージ表現を目指した企画です。(主催者あいさつ文からの抜粋)
単なる「入れ物」ではない感性を刺激するデザイン
作品のいくつかは実際に手に取り、触れることも出来ました。直観的に理解できる作品もありますし、メッセージ性の強い実験的な作品も沢山あります。一つ一つが興味深く、感性を刺激されます。
パッケージと言うと「商品が主役」であり、「商品を引き立てる器」という考えが頭から離れなかったのですが、この展覧会ではパッケージが明らかに主役。というよりも商品と一体化することで、そのバリューを高めています。
生活の中にあるパッケージ!見る目が変わります
私たちの暮らしの中には様々な商品や製品が溢れているのですが、そのほとんど全てにパッケージが用意されています。あまりにも生活に密着し、日常にとけこんでいる為に、パッケージというものを意識することはありませんでした。
しかし、改めてパッケージに目を向けてみると、その世界はバラエティーにとんでおり工夫や挑戦に溢れているのです。その昔、ドイツの建築家ミース・ファンデル・ローエが「神は細部に宿る」という名言を残しましたが、今回の「感じるパッケージデザイン展」のあちこちに神が宿っていました。
今日は、パッケージデザインの進歩と今が見える展覧会「感じるパッケージデザイン展」のお話でした。それでは、またね。
「感じるパッケージデザイン展」について
京都での展示会は10月14日(木)で終了しましたが、12月に東京でも開催されます。(入場無料)
「感じるパッケージデザイン展 東京展」
会期:2018年12月18日(火)~30日(日) 会場:渋谷ヒカリエ8/CUBE
詳しくはWeb特設サイトをご覧ください。
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