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2019-07-08

この本読みました!佐々木豊の「泥棒美術学校」&「プロ美術家になる!」

こんにちはレッサーパンダです。現在、自分の個展開催を目指しアクリル絵具を使って絵を描いています。しかし、悪戦苦闘の毎日。「こんな絵を描きたい」、「こんなアイデアを絵にしたい」という具体的なイメージはあるのだけれど、残念ながら描画技術が伴いません。そこで、アクリル画の技術指南書を探しに出かけました。

「アクリル画パーフェクトガイド」かなり本格的な技術書です。FAQ形式でとても解りやすい。

「アクリル画パーフェクトガイド」かなり本格的な技術書です。FAQ形式でとても解りやすい。

きっかけはアクリル画の教科書さがしでした

大手の書店をいくつも回ったのですが、油絵や水彩画に比べ、アクリル画の専門書というのは驚くほど少ないのです。これほど普及したアクリル絵具なのに本当に不思議です。やっと1冊見つけて、さあ帰ろうとしたときに面白いタイトルの本が目にとまりました。その本のタイトルは『泥棒美術学校』

書籍の表紙は佐々木氏の作品。無表情な美女とコントラストが利いた色使いが特徴の油絵。

書籍の表紙は佐々木氏の作品。無表情な美女とコントラストが利いた色使いが特徴の油絵。

背表紙のタイトルから絵画をテーマにした小説かな?と思ってしまいました。実は絵画の技術指南書です。本の帯を見て引き付けられました。「呼んだら絵を描かずにいられなくなる本」、「現代洋画界の鬼才・佐々木豊が絵画制作方法を初公開!」なんだか面白そう。立ち読みを初めて約20分。221ページの1/3を一気に読んでしまいました。すぐに買って続きは家でじっくり読みました。作者は国画会会員の佐々木豊氏。東京芸術大学を出て明星大学造形芸術学科教授。東郷青児美術館大賞など数々の輝かしい受賞歴を誇る現代美術界の大御所です。(大御所などと書くと、今でも現役の佐々木さんは嫌がりそうですね。)そんな大先生は大学以外でもカルチャースクールなどで多くの生徒を指導していて、「誰が上手くなって、誰が筆を折るか」ということが自然とわかるそうです。その経験から、どんな人が継続して絵を描き続けるのか、すなわち「人はどのようにして絵描きになるのか」を熱く語ってくれているのが本書です。

「絵描き」を目指す人なら一度は手にするバイブルでした!

この本、初版は1993年、今から26年前に出版された本です。その間の増刷はなんと10回!!(10刷)レッサーパンダが通う絵画教室のМ先生に佐々木豊氏の話をふったところ「あ~ぁ。泥棒美術学校ね。」と1秒で返事が返ってきました。どうやら、この本、誰もが知る『プロを目指す人たちのバイブル』のようです。(知らなかったのはレッサーパンダだけ??)

佐々木豊氏の美しい作品が表紙を飾っています。本書の中にも作品のカラーグラビアが多数。

佐々木豊氏の美しい作品が表紙を飾っています。本書の中にも作品のカラーグラビアが多数。

自分はいったい何を目指したいのか?考えさせられた一冊

この本の醍醐味は佐々木豊先生の自己開示です。その「手の打ち」、若いころからの「悪戦苦闘・試行錯誤」を包み隠さず本書で語っておられます。具体的には、絵を描く人(腕を上げだしている人)がぶつかる壁、例えば「自分の得意な画題をいかに見つけるか?」、「絵肌の魅力とは何か?」、「100号以上の大作を描く時はどうするのか?」などなど。例えるならば学生の頃に、一人ではどう解いていいか分らない数学の問題を、塾の先生のたった一言のアドバイスでスラスラ解けた・・・なんていう経験はありませんか?まさにそんな感覚の本なのです。

続編「プロ美術家になる!」もリアルで面白い

実はこの本は続編も出版されています。「プロ美術家になる!」という本です。先の「泥棒美術学校」の実践編と位置付けられています。本書のページの半分以上は著名な画家達との対談からなっています。絹谷幸二や千住博、レッサーパンダも大好きな山本容子など綺羅星のような人々との本音のトークです。そのスター画家たちの制作技法や絵に込めた思いが忌憚なく本書から溢れ出てきます。まさしく「泥棒美術学校の実践編」です。

「プロ美術家になる!」は有名画家と佐々木氏の対談が読みどころ。作品作りの神髄に迫る。

「プロ美術家になる!」は有名画家と佐々木氏の対談が読みどころ。作品作りの神髄に迫る。

今後の制作活動を考え直すキッカケとなりそうです

この2冊の本には具体的な「お絵描き作法」がリアルに盛り込まれているのですが、実はレッサーパンダの心に響いたのは技巧的な話ではありませんでした。

『(自分が)得意な画題との出会い』と『個展は世に自分を問うこと』という二つの言葉でした。絵の上手い人(プロ)は描く手が早い。手が早いと沢山の制作の中で技量を上げることができる。先生、曰く、沢山描けば描くほど、自分が一番描きたいことやテーマに近づけると言うのです。常々、思っていたのですが、プロ、アマ問わず凄い人は(時代の変遷や手法の違いはあるものの)自身のスタイルを確立しているようにレッサーパンダの目には映ります。振り返って、今の自分自身には、そのスタイルがないことが大きな焦りになっています。また、個展を開催したいと、ずっと思い続けているのですが、今の自分に「世に問う」何かがあるのか?甚だ危うい限りです。今回「泥棒美術」学校」を読んで冷静に自分を振り返るきっかけになりました。

続けて2冊をいっきに読んでしまいました。お絵描き修行の今後を考えさせられた2冊です。

続けて2冊をいっきに読んでしまいました。お絵描き修行の今後を考えさせられた2冊です。

『レッサーパンダのお絵描き修行』が単なる趣味の自己満足で終わるか、何か納得のいく結果を残せるか・・・分かれ道が見えたような気がしました。今日は絵画制作に関して大変刺激を受けた本「泥棒美術学校」と「プロ美術家になる!」のお話でした。この本、絵を描く人、美術や芸術が好きな人には絶対におすすめです!!それでは、また。

「泥棒美術学校」・「プロ美術家になる!」について

ともに芸術新聞社から出版されており、今でも簡単に手に入れることができます。なお、もう1冊「画風泥棒」という続編も出ているようです。読んでみよっと。

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