誰でも描ける!アクリル絵画の優しい手ほどき・君のひとみは10000ボルト編-その6-
こんにちはレッサーパンダです。コロナウイルスの影響でお休みだった絵画教室もやっと通常に戻りました。でも出席する生徒さんの数は本当に少なくて、コロナを警戒する人の欠席が目立ちます。そんな中、また一つ、新しい絵画テクニックを教えてもらいました。今日はそのお話です。
ガラス窓の向こうにいる人物を描きたい
今回の絵、人物の背景としてビル群を描きたいと思い試行錯誤しています。無機質なビルだけでは、なんとなく奥行きや深みを感じないので「ビルの中にいる人物」を描くことを思いつきました。
思いついたもののビルの中にいる人物は(たぶん)ガラス窓の向こうからこちらを見ているに違いありません。「人物の手前にあるガラス窓ってどう描いたらいいのだろう??」
絵画教室のМ先生にご相談してみました。
パールメディウムを使った描画の方法
ガラスを描くにあたり先生から新しくメディウムを紹介していただきました。「パールメディウム」というメディウム(溶剤)です。名前からもわかるように「真珠のような輝きが期待できる」という意味。絵具に混ぜるとキラキラした輝きを表現できるというものです。
絵具の中にはもともとパールホワイトなど絵具自体に輝きが期待できる素材を混ぜた物があります。ただ、その様な絵具は限られます。そこで、このパールメディウムを使用すると、どの様な絵具でもパールの輝きを付加することができるというのです。
「ガラスを描く」根気強い繰り返しの技法
まずは、ガラス面となるエリアのマスキングです(これは前回の「お絵かき修行」でご紹介した技法)。
次にガラスの向こうに佇む人たちを描きます。ガラスの向こうでも人物の存在が感じられるように明るく彩度の高い色合いを選びました。
人物が描けたところで、その上から先ほどのパールメディウムにジンクホワイトを混ぜた絵具をペインティングメディウム(絵具を薄めて描きやすくする溶剤)で薄く延します。その薄い絵具を上から塗り重ねます。このパールメディウムを混ぜた薄い白がガラスの質感を出してくれるのですが、ここで一つテクニックを教えていただきました。
水分量の多い絵具を何度も塗り重ねていくのですが、その際、1回塗るごとに「紙」で絵具を軽く押さえて拭き取ります。拭き取るとキャンバスに残る絵具は少なくなるのですが、その「少しずつの積み重ね」がガラスの質感につながります。とても根気のいる作業で、6回塗っては拭き、拭きとっては乾かしを繰り返しました。
ちなみに、М先生によると、拭き取りの為の紙は「コピー用紙」が一番良いとのことでした。吸取り面が平滑で絵具を吸いすぎず、残しすぎないらしいです。
地味な作業の繰り返しが良い作品の完成につながると信じて
絵を描きだして、この夏で3年になります。最近つくづく思うことがあります。「創作作業というは本当にマラソンや山登りみたいだなぁ。」ということです。コツコツ一人で地味な努力を繰り返します。自分と向き合いながら、不確かなゴールに向かって唯々歩む。その上、マラソンよりも残酷なのは、しんどくなって止まったら、一歩も先に進んでいない事実を「作品」がその姿で突き付けてきます。時々、イライラして描きかけの作品を捨ててしまおうか・・・と思うこともあります。
でも、それでも諦めずに続けている理由はなんだろう?やっぱり自分自身が完成した絵を見てみたいから・・・出来上がった絵を誰かに「ステキ」と褒められたいから・・・いまだに、その理由はよくわかりませんが絵を描く多くの人は、そんな気持ちの揺らめきの中で毎日作品と向かい合っているのではないでしょうか?
この作品、完成までにまだまだ時間がかかりそうですが、前に進むにはコツコツ努力するしかないのですね。納得のいく完成を目指して地味に頑張って行きたいと思います。
今日は「ガラス窓を描く」新しい技法を教えていただいたお話でした。それでは、またね。
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