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2021-04-19

富士フィルムフォトサロンにて写真芸術について考えた!

レッサーパンダです。以前、ニューヨークの写真家ソール・ライターの展覧会を観に行きました。その際に、色々と考えさせられたことがありました。中でも「写真芸術の今後って、一体どうなるのだろう?」という疑問は心の隅にひっかかり続けています。

平日のオンタイム、立ち寄った写真展のレベルの高さに驚いた

そんなことを考えながら大阪の本町通りを歩いていたら、立派な写真サロンが目にとまりました。富士フィルムフォトサロンです。

堺筋から御堂筋に向けて本町通りを西に。旧 大阪丸紅ビルの1階にサロンはあります。

堺筋から御堂筋に向けて本町通りを西に。旧 大阪丸紅ビルの1階にサロンはあります。

都心のど真ん中に78.3㎡という贅沢なスペースを設ける写真専用のギャラリーなのです。確か大阪の富士フィルムのフォトサロンは梅田の丸ビルにあったと思ったのですが、こんな場所に移っていたのですね。梅田の方がアクセスが良くて集客が容易だとは思いますが、レッサーパンダはこちらの方が落ち着いた感じで好きですね。子の日は3組のグループが展覧会を開催されていました。「片山 徹写真展「神気(シンキ)」、「大阪花の会第27回写真展」、「第11回 フォトクラブ悠悠 写真展」の3組です。

サロンの入口。この日は3つの展覧会が開催されていました。

サロンの入口。この日は3つの展覧会が開催されていました。

どちらの写真展もアマチュアの方々の展覧会とのことでしたが、素人のレッサーパンダが拝見してもそのレベルの高さが伝わってきます。また、どの展覧会もリタイアメントされたご高齢の大先輩たちが活動の中心メンバーになって運営されていることにも驚きました。

3つの写真展が同時に開催できる広いスペース。パテーションや照明も自由に移動可能。

3つの写真展が同時に開催できる広いスペース。パテーションや照明も自由に移動可能。

ソール・ライター展を見てから考えていたこと・・・

絵画はその昔、古典的な写実主義が王道でした。それが写真という新技術が開発されることにより「写実」の重みや希少性が損なわれました。その時点から絵画芸術の偉大なる「彷徨」が始まります。キュービスムやポロックの現代アートなど写実に決別したアートは新天地を開拓していきます。

「大阪花の会」さんの展示。様々な花をテーマにした作品作りをされている会です。

「大阪花の会」さんの展示。様々な花をテーマにした作品作りをされている会です。

以前、ソール・ライター展を見ていて思いました。「ソール・ライターはカラー写真に先鞭をつけたが、その後の写真芸術はどのように変遷し、現在、コンテンポラリー・フォトグラフは一体どうなっているんだろう??」そんな疑問が頭の中でグルグル回っています。

画像処理ソフトを高度に使いこなした素敵な作品が出展されていました。

画像処理ソフトを高度に使いこなした素敵な作品が出展されていました。

片山徹氏・写真展「神気」でご本人に質問する

3組の展覧会の中でレッサーパンダが惹かれたのは片山徹さんという方の個展でした。片山さんは自然の中を歩いていて、ふと神の気配のようなものを感じる瞬間があるそうです。8年間かけてそのような場面に出くわした瞬間を写真作品にされています。作品はまさに『神気』!!言葉では上手く伝えられない独特の雰囲気と迫力があります。実は会場にご本人がいらっしゃり、大変厚かましくもお声をかけてみました。70代ぐらいの落ち着いた雰囲気の男性です。優しい語り口で話される言葉の一つ一つに重みがあります。

片山 徹さんの個性的な作品の数々。正に「神の気」を感じる瞬間が切り取られています。

片山 徹さんの個性的な作品の数々。正に「神の気」を感じる瞬間が切り取られています。

親切にしていただいたことを良いことに、予てから持っていた写真芸術の現状について質問をしてみました。

「最新の写真芸術の進化の成果はなんでしょう?」するとじっくり考えられ「やはり、デジタルでしょうね。」

その昔、写真がモノクロ・フィルムだった頃、1枚1枚暗室で現像していました。その後、カラー写真が発明されましたが暗室作業が付いて回りました。時代は過ぎデジタルカメラが主流になった現代では、写真の現像や加工(「焼込み」や「覆い焼き」などの特殊技術)もパソコン上で出来るようになりました。このパソコンと写真の結びつきは写真芸術の進歩の上でとても重要なことです。何故かというと、これまで写真加工の専門家やプロのカメラマンしかできなかった高度な技術を駆使した作品作りが家庭で簡単にできるようになったのですから。現にサロンで今回見た作品の多くには明らかにAdobe Photoshopなどのグラフィックソフトで加工された痕跡があります。デジタル加工された写真作品は多く、それも70歳を超える高齢の作家さんが普通に使われているのです。

また、片山さんはこんなことも仰っていました。「(銀塩写真で)できなかった事の1番は1つの写真作品の中にモノクロとカラーを混在させることでした。」デジタル写真技術の進歩のおかげで、これまでは無理とされていたことが簡単にできるようになったのです。片山さん曰く「この辺りが現代写真の進化(素人が簡単にできるようになったことも含めて)ではないでしょうか。」とのことでした。

芦屋写真展「パリを獲れ」に行ってみようと思います

お話を聞いていて、レッサーパンダは増々、最新の写真展を見たくなりました。現代のアート写真はどうようになっているのかを知りたくなりました。そんなお話をしたところ片山さんは一つの写真展をご紹介してくださいました。『芦屋写真展2020-Road to PARIS-「新しき美の創作」と「新しき美の発見」』という展覧会です。全国規模の公募展で、後に入賞作品によるフランスのパリで巡回展もあるそうです。また、フランスの優秀作品も展示されるそうです。「あなたの知りたいものが見れるかもしれませんよ」と招待ハガキをいただきました。レッサーパンダの現代写真の最先端を見てみたいという気持ちは募るばかりです。展覧会は今年6月2日から6日の間、神戸市立美術館・原田の森ギャラリーで開催されるそうです。是非とも見に行こうと決心しながら富士フィルムフォトサロンを後にしました。

先生からいただいた芦屋写真展の招待ハガキです。赤が印象的。

先生からいただいた芦屋写真展の招待ハガキです。赤が印象的。

今日は富士フィルムの写真サロンで、現代写真の進歩について考えさせられたお話でした。それでは、また。

富士フィルムフォトサロン大阪について

場所:〒541-0053 大阪市中央区本町2-5-7 メットライフ本町スクエア 1F

(旧・大阪丸紅ビル)

電話:06-6205-8000

受付時間:平日10:00~18:00

ホームページはこちらから

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