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2017-10-30

信楽・陶芸の森で江戸・古伊万里の粋にふれる

信楽の陶芸祭りに行った際に「陶芸の森」にある「信楽・陶芸館」に足を運びました。国内外の現代陶芸から古陶磁まで様々な陶芸作品を展示する専門美術館です。

陶芸館の外観。山の頂上にあり歩いて登るとけっこうな運動量です。

レッサーパンダはこの美術館を開業の時から知っていて、初めて現代陶芸に触れた思い出深い場所です。また、この美術館の側の今では駐車場や広場になっているあたりで「野焼き」(窯を使わない焚火での焼成方法)に参加させていただいたのも貴重な経験になっています。

綺麗なデザインのチケットとチラシ。チケットは本の栞として使っています。

ご記憶の方もいらっしゃると思いますが、この施設が出来た際の記念行事「世界陶芸祭セラミックワールドしがらき’91」は信楽高原鐵道列車衝突事故により中止となりました。事故により42名の尊い命が犠牲となりました。1991年はレッサーパンダにとって感激と共に、多くの人の泣き顔が浮かぶ複雑な思い出の年でもあります。ないまぜになった様々な思い出と共に展示コーナーに足を運びました。

特別展の展示会場入口。残念ながら写真撮影がOKなのはここまでです。

17世紀初頭の古伊万里が鑑賞できる特別展

現在、陶芸館では「粋な古伊万里―江戸好みのうつわデザイン」という展示会が開催されています。伊万里焼は17世紀、江戸幕府が成立したころ肥前有田(今の長崎県)で成立しました。日本初の磁器で伊万里港から全国に向けて船で届けられたことから「伊万里焼」と呼ばれたそうです。江戸期の繁栄、特に上方(関西)方面で高級品から日用の食器として使用されだしたことから「庶民の陶器」として普及しだし、元禄の江戸で庶民文化の象徴として開花しました。

古伊万里のイメージ。本物の展示品を写真でご紹介できないのが本当に残念です。

懐かしい美術館で古伊万里の芸術性を再確認する

広い展示スペースにゆったりと並べられた作品は100点を越えているのではないでしょうか。青の顔料で精緻な柄を描く染付の椀や鉢、華やかな朱や金彩で唐草や花鳥風月を描いた見事な色絵の大皿など、当時の職人の見事な手仕事に時を忘れて見入ってしまいます。伊万里焼が広く普及した19世紀は、今日の日本料理の基礎が出来上がった時代で、庶民も食に対する贅や自由を謳歌していました。そんな時代を彷彿とさせる展示がありました。全て伊万里焼で揃えた絢爛豪華な宴の用意(今で言うテーブルコーディネートでしょうか)、当時の豪商の遊び心を凝縮したような多種多様な磁器を眺めていると、すっかり心奪われてしまいました。特別展のタイトルにある「江戸好みの粋」に触れた一瞬でした。

伊万里焼、染付のデザイン。細かな図柄と静謐な藍に職人の仕事を感じます。

展示会は今年の12月17日まで開催されていますので、本物の古伊万里をご覧になりたい方はぜひお出かけください。

滋賀県立 陶芸の森・陶芸館

〒529-1804滋賀県甲賀市信楽町勅旨2188-7

特別展「粋な古伊万里―江戸好みのうつわデザイン」

期間:12月17日(日)まで。月曜休館。

開館時間:午前9時30分―午後5時(入館は4時30分まで)

入館料:一般700円、高大生500円、中学生以下無料

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