この本おすすめ!ヨシタケシンスケ「思わず考えちゃう」
こんにちはレッサーパンダです。皆さん、色々な本たくさん読んでいますか?レッサーパンダはコロナウイルスが流行りだしてから「やっぱりこういう時期だから、関連本も読まないとね。」と勢い込んでカミュの『ペスト』や山本太郎先生の『感染症と文明』などを読んでみたのですが、何だか気持ちがますます現実乖離していく自分に気づき「あ~ぁ、やれやれ」という気分でした。
小学生がえらぶ!こどもの本・総選挙
そんな折、またもや懲りずに面白い本を探しに本屋さんに出かけました。(不思議なのですが、コロナウイルスのせいで外出禁止になった時も本屋さんだけは開いていたんですよね。お店の中はかなり3蜜のように見えたのですが??) それで、たまたま店頭でヨシタケシンスケという人の『思わず考えちゃう』という本が平積みになっており目に留まりました。完璧な表紙買いで、可愛らしいイラストとキャッチコピー「あわよくば生きるヒントに。」にやられました。
それで、買って帰ると、当家の双子パンダが大騒ぎ「ヨシタケシンスケの本やぁ!!」。子供たちに話を聞くと、ヨシタケシンスケという人はけっこう有名な絵本作家で学校の図書館でも大人気だそうでうです。この「りんごかもしれない」という初期の作品なんかはもう取り合い、皆にかなり読み込まれていて表紙がボロボロになるほどだとのことでした。25万人の小学生がえらんだ「こどもの本」総選挙 第3位だそうです。納得。
余談ですが、最近の小学校では図書室や図書館のことを「メディアセンター」と呼ぶのだそうです。子供たちに答えは聞くと返事はシンプルで「おいてあるのが本だけじゃないから。」映像作品などの貸し出しが出来るんですね。お父さん世代は驚くばかりです。ホントに。
ヨシタケシンスケという人について思うこと
それで、ヨシタケシンスケという人がますます気になりました。本屋で改めて探してみると、児童書のコーナーにヨシタケシンスケさんだけの棚があったり、文庫本の表紙がヨシタケ氏のイラストだったりと有名な方のようです。そういえば、かなり以前ですが「ふまんがあります」という子供の不満と疑問をイラストで描いた面白い本があり立読みしていた記憶がよみがえりました。これもヨシタケ氏の作品でした。
ヨシタケ氏は1973年生まれの47歳(描いている絵を見て、もっと若いのかと思っていました)。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コースの出身で(筑波に芸術の学科があることを初めて知りました)、MOE絵本屋さん大賞、産経児童出版文化賞美術賞などたくさんの有名賞を受賞する大先生なのです。
それで、先にネットでキャリアを調べてしまったもので『思わず考えちゃう』という本も「表紙は可愛らしいけれど、ウンチクや難しいこと一杯書いてあるのでは??」と警戒(笑)していました。
それで(せっかく買ったのだから)と本を読みだしたところ、ちょっとビックリでした。天才型の童話作家というイメージが一変、子育てや日常に苦労する(あれこれ、考えちゃう、ちょっと神経質な)極めて普通のオジサンなのでした。すっかりヨシタケ・ワールドに魅せられて1時間で読んでしまいました。
「思わず考えちゃう」という本について
この本、童話や小説ではなくてヨシタケシンスケ氏が日々考えていることを綴っているエッセイです。ヨシタケ氏は絵描きですから、日常ふっと感じたことをイラスト(というより落書きですね)で記録しています。それら諸々をまとめた1冊なのです。本文中には色々なエピソードがあるのですが、どれも「そうそう、そんなことあるよね。」と共感してしまいます(オジサンあるある?)。先にも書きましたように天才じゃないから、あきらめや失敗もあり、それが怖いから何とか乗り切るための処世術も身に着けていく・・・そんな感じのお話です。
ネタバレにならないよう、レッサーパンダが気に入ったエピソードを一つだけ。
「(日々の生活で)嫌な思いをしたとき、辛い思いをしたとき『宝くじ』のようなものだと思えばいい」、「(そうすると)もう少し抱えていられるし、ひょっとしたら、その辛い経験は何かに化けるかもしれないよって、感じました」、「ただつらがっているだけではなくて、ひょっとしたらそれが当せん番号になるかもって考えると、意外といろんなことが我慢できるんじゃないかな」う~ん、何だか深いですよね。
良く出来た「タイ焼き」みたいですね
143ページ、イラストたくさんの本なので本当に1時間(通勤の良き帰り)で読めてしまう本なのです。薄い本ですが、こっそりオジサンの通勤カバンに忍ばせておいて、疲れた時、気分が下がってしまったときに、そっと取りだして読み返したいような本でした。そうそう、この本の一番後ろのページ、よく出版者や発行日などが事務的に書いてあるページがありますよね。その最後の最後、そこにもヨシタケ氏のイラストとコメントが描いてあります。例えるならアンコが尻尾までつまった良く出来た「タイ焼き」のような本でした。何だかちょっと得した気分。何だか、人の気持ちが分かっているなぁ・・・って感じで読了いたしました。あらためてヨシタケシンスケ氏のファンになりました。
今日は童話作家・ヨシタケシンスケ氏のエッセイ「思わず考えちゃう」のお話でした。それでは、また。
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